kのn乗の和の公式について

目次

\(k^n\)の和の公式

$$\displaystyle\sum_{k=1}^n 1=n$$
$$ \displaystyle\sum_{k=1}^n k=\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)$$
$$ \displaystyle\sum_{k=1}^n k^2=\displaystyle \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$$
$$ \displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=\{\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)\}^2$$

\( \displaystyle\sum_{k=1}^n 1=n\) の証明

\( \displaystyle\sum_{k=1}^n 1= 1+1+1+・・・+1=n \)(証明終わり)

\(\displaystyle\sum_{k=1}^n k=\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1) \)の証明

\(\displaystyle\sum_{k=1}^n k=1+2+3+・・・+n \)

これは, 初項 1, 末項\(n\),  項数 \(n\) の等差数列の和であるから,  \(\displaystyle\frac{1}{2}n(n+1)\)

よって, \(\displaystyle\sum_{k=1}^n k=\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1) \)であることが示されました。

\( \displaystyle\sum_{k=1}^n k^2=\displaystyle \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)\) の証明

恒等式 \((k+1)^3-k^3=3k^2+3k+1\) において,  \(k=1, 2,・・・,n\) として辺々を加えると,

(左辺)\(= \displaystyle\sum_{k=1}^n (k+1)^3- \displaystyle\sum_{k=1}^n k^3\)

\(=\{2^3+3^3+・・・+n^3+(n+1)^3\}\)

\(-\{1^3+2^3+・・・+n^3\} \)

\(=(n+1)^3-1\)

(右辺)\(=3 \displaystyle\sum_{k=1}^n k^2+3 \displaystyle\sum_{k=1}^n k + \displaystyle\sum_{k=1}^n 1\)

\(=3 \displaystyle\sum_{k=1}^n k^2+3・\displaystyle\frac{1}{2}n(n+1)+n \)

恒等式であるから, (左辺)=(右辺)より,

\((n+1)^3-1= 3\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2+3・\displaystyle\frac{1}{2}n(n+1)+n \)

\(3\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2=(n+1)^3-\displaystyle\frac{3}{2}n(n+1)-(n+1)\) ←すべての項に\((n+1)\) が共通しています

\(3\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2=(n+1)\{(n+1)^2-\displaystyle\frac{3}{2}n-1\}\)

\(3\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2= \displaystyle\frac{1}{2} (n+1)\{2(n+1)^2-3n-2\}\)

\(3\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2= \displaystyle\frac{1}{2} (n+1)(2n^2+n)\)

\(3\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2= \displaystyle\frac{1}{2} n(n+1)(2n+1)\)

よって, \(\displaystyle\sum_{k=1}^n k^2= \displaystyle\frac{1}{6} n(n+1)(2n+1)\)

\( \displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=\{\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)\}^2\) の証明

恒等式 \((k+1)^4-k^4=4k^3+6k^2+4k+1\) において,  \(k=1, 2,・・・,n\) として辺々を加えると,

(左辺)\(= \displaystyle\sum_{k=1}^n (k+1)^4- \displaystyle\sum_{k=1}^n k^4\)

\(=\{2^4+3^4+・・・+n^4+(n+1)^4\}\)

\(-\{1^4+2^4+・・・+n^4\} \)

\(=(n+1)^4-1\)

(右辺)\(=4 \displaystyle\sum_{k=1}^n k^3+6 \displaystyle\sum_{k=1}^n k^2 + 4\displaystyle\sum_{k=1}^n k+\displaystyle\sum_{k=1}^n 1\)

\(=4 \displaystyle\sum_{k=1}^n k^3+6・\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)+4・\displaystyle\frac{1}{2}n(n+1)+n \)

恒等式であるから, (左辺)=(右辺)より,

\((n+1)^4-1=4 \displaystyle\sum_{k=1}^n k^3+6・\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)( k^2+3・\displaystyle\frac{1}{2}n(n+1)+n \)

\(4\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=(n+1)^4-n(n+1)(2n+1)-2n(n+1)-(n+1)\) ←すべての 項に\((n+1)\)が共通しているのでまとめます。

\(4\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=(n+1)\{(n+1)^3-n(2n+1)-2n-1\}\)←ここでそのまま計算してもいいですがたまたま\((2n+1)\)ができるので, 部分的にまとめます。

\(4\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=(n+1)\{(n+1)^3-n(2n+1)-(2n+1)\}\)

\(4\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=(n+1)\{(n+1)^3-(2n+1)(n+1))\}\)

\(4\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=(n+1)^2\{(n^2+2n+1)-(2n+1)\}\)

\(4\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3=(n+1)^2・n^2\)

よって, \(\displaystyle\sum_{k=1}^n k^3= \displaystyle\frac{1}{4} n^2(n+1)^2= \{\displaystyle\frac{1}{2} n(n+1)\}^2 \)

いかがでしたでしょうか。ここまでは教科書レベルなので自力で計算できるようにしていきましょう。

さて, 教科書レベルを逸脱して\(k^4\)の和の公式を同様にして計算してみましょう。

\(\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=??\)の導出

まず \((k+1)^5=k^5+5k^4+10k^3+10k^2+5k+1\)であるから, 

恒等式 \((k+1)^5-k^5= 5k^4+10k^3+10k^2+5k+1\)において,  \(k=1, 2,・・・,n\) として辺々を加えると,

左辺は同じように考えて, \((n+1)^5-1\)

(右辺)\(=5\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4+10・\displaystyle\frac{1}{4} n^2(n+1)^2 +10・ \displaystyle\frac{1}{6} n(n+1)(2n+1) +5・ \displaystyle\frac{1}{2} n(n+1) +n\)

\(5\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=(n+1)^5- \displaystyle\frac{10}{4} n^2(n+1)^2 -\displaystyle\frac{10}{6} n(n+1)(2n+1) -\displaystyle\frac{5}{2} n(n+1) -n-1\) ←すべての 項に\((n+1)\)が共通しているのでまとめます。

\(5\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=(n+1)\{(n+1)^4- \displaystyle\frac{5}{2} n^2(n+1) -\displaystyle\frac{5}{3} n(2n+1) -\displaystyle\frac{5}{2} n -1\}\)

\(5\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=\displaystyle\frac{1}{6}(n+1)\{6(n+1)^4- 15n^2(n+1) -10n(2n+1) -15n -6\}\) ←頑張って部分的にまとめられるか試行錯誤しましたが, 見つかりませんでした。おとなしく, 展開してから因数分解をしていきます。

\(6(n+1)^4 =6n^4+24n^3+36n^2+4n\)を使って, 順次計算していくと次のようになります。

\(5\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)(6n^3+9n^2+n-1)\)

ここで,  \(6n^3+9n^2+n-1\) は最高位の次数が6, 定数項が1であるから \(6n^3+9n^2+n-1=0\) を満たす\(n\)の候補は, \(n=±1, ±\displaystyle\frac{1}{2}, ±\displaystyle\frac{1}{3}±\displaystyle\frac{1}{6}\)に限られます。

順に計算すると, \(n=-\displaystyle\frac{1}{2}\)のとき \(6n^3+9n^2+n-1\) は 0になるので, 因数として\((2n+1)\)が含まれることがわかります。

計算すると, \(6n^3+9n^2+n-1=(2n+1)(3n^2+3n-1)\)

\(5\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)\)

\(\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4=\displaystyle\frac{1}{30}n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)\)

最後に \(\displaystyle\sum_{k=1}^n k^4 \)はどうなるでしょうか。答えは探せば出ますが, 自力で導出できるでしょうか。導出が難しい場合はご連絡いただければと思います。

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